中心でなくとも光る松田元太の芝居
実際、本当の自分を好きになってくれる人が美波にはいた。ゼロ組の日下部龍太(砂田将宏)だ。演じたのは、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEのメンバーである砂田将宏。彼が体現する、普段は一匹狼でミステリアスだが、実は恋に不器用な龍太の真摯な思いは美波の心を動かした。
パーティーには他の生徒たちも参加し、互いを意識し始めた梅野ひめ香(上坂樹里)&西谷翔(水沢林太郎)、松下リナ(倉沢杏菜)に対し密かな想いを寄せる紺野直斗(松田元太)の恋も動き出す。
ネクストブレイクが期待される若手俳優が演じる生徒役の中で、ひと際目を引くのはやはり松田元太だ。もともとは校長の娘である東堂雪美(大原梓)や城島佑(奥野壮)らとつるんでいて、スクールカーストの上位に位置していた直斗。だが、3話でかつてはあまり目立つタイプではなく、親友の鈴木司(柏木悠)と映画製作に打ち込んでいたことが明らかに。
その前話から松田の演技には“伏線”があり、お調子者だけど無理やり雪美たちに合わせている必死感や、いじめのターゲットにされていたひめ香に感じている申し訳なさを、ありありと映し出していた。
その後は「一緒にいたいやつといろ」という零の熱い言葉を受け、司と元の関係に戻る。だが、直接手を下していないとはいえ、いじめに加担していたことは事実。それを自覚し、傷つけてしまったひめ香と真摯に向き合う姿や、承認欲求を拗らせていくリナを心配するそぶりも印象深く、エピソードの中心でなくとも松田の演技には常に光るものがある。
「わがままで、そのくせメンタルが弱いところがあって。そんなんでも!好きなもんは好きなんだよ!そういうもんだろ!」とみんなの前でリナへの愛を叫んだ直斗。その際も思いが溢れ、涙ぐむ松田の大胆さと繊細さを併せ持つ芝居に心を打たれた。