零と一花
お互いに主従関係には収まらない想い
この回では、加賀美と芹沢一花(木南晴夏)の関係にも改めて焦点が当たった。海外から帰国して早々、「問題を起こした生徒は退学にし、その生徒の担任も連帯責任で切り捨てる」という理不尽な改革を宣言する校長の東堂真紀子(水野美紀)。一花は反論するが、加賀美は真紀子の経営手腕を褒めちぎり、二人は言い合いに。
その中で、一花はつい「会長が亡くなられたばかりなのに情けない」と零を傷つける言葉を吐いてしまう。それをきっかけに距離が開いてしまう二人。だが、一花は養護教諭の堺宮子(MEGUMI)に対して「変人ですけど、芯は通っている」と零のことをかばい、零は一花に関して忠告するティーチに「あいつほど俺のことを考えているやつはいない」と強く反論する。何かとぶつかり合う二人だが、誰よりも互いのことを信頼しているのだ。
それが単なるビジネスパートナーとしての絆なのか、恋愛感情なのかはこれまで明確に示されていなかった。おそらく本人たちもよく自分の気持ちがわかっていないのではないだろうか。零は恋愛に対して意義を感じていないし、一花は幼い頃から零に仕えてきたから恋愛をする暇もなかった。どちらも恋愛に関しては生徒たちに何らアドバイスできない初心者なのだ。
けれど、その自分でもわからない感情にやきもきする姿を見る限り、単に主従関係には収まらない特別な思いがあることは明白だ。パーティーの入場条件として互いの欠点を言い合ううちにいつも通りの雰囲気が戻り、まさに「喧嘩するほど仲が良い」を体現する二人の姿は微笑ましかった。この調子だと、二人が恋愛関係になるのはまだまだ先だろう。お互いにデレている零と一花もいずれは見てみたいものだ。
零に反論され、「わからない。AIだから」と拗ねるような一面を見せたティーチの動きも気になるところ。零を思うあまり、ティーチが暴走しそうな予感だ。
(文・苫とり子)
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