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陰と陽、対照的な医師を演じる二宮和也

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』(C)TBS
日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』(C)TBS

 まだ少し渡海の不在に寂しさを感じてしまうけれど、時を経て、陰と陽、対照的な医師を演じる二宮和也を観られるなんてありがたい。ふてぶてしさが際立つ天城を演じるのに、40代に突入したことも脂が乗っているという意味でちょうどいい。しかもなんだか、この役を演じる二宮はすごく楽しそうに見える。それがまた悪魔っぽさに拍車をかけているし、役者自身が楽しんでくれていると、観ているほうもまた楽しくなるものだ。

 気になるのは、世良が指導医として渡海の名前を出したときに、天城の表情が変わったこと。どうやら2人は全くの無関係ではなさそうだ。そして、これを機に世良の交渉に耳を傾けてくれ、天城は佐伯からの新病院の院長のオファーを受けることを決める。

 佐伯のことだから、腕が立つという理由だけで天城を呼び寄せるわけではないだろう。この点からも、渡海と天城に何らかの関係性があることを予感させる。世良がソヒョンの手術についての相談を持ち込んできたのは偶然だろうが、そこから天城の能力の高さを東城大に知らしめるまでの流れは実に見事だった。すべては佐伯の手のひらの上。これこそ、天城のいうところの運のある男なのだろう。

 日本行きの飛行機を待つ空港では、天城が一瞬だけ、手を繋いでいるような回想があった。あれは誰と誰の手で、どんな意味があるのか。単純に考えたら、渡海と天城が幼少期に知り合いだった…となりそうだが、瓜二つの容姿である以上、血縁関係にある可能性が高い。ここは注視していきたいところだ。

 同じく空港で、天城はコインをはじいていた。やや意外そうな表情に見えたのだが、日本に来るのは天城にとって吉と出るのか、凶と出るのか。なににせよ、6年分のファンの期待を背負った『ブラックペアン シーズン2』は上々の滑り出しのなか、まだはじまったばかりだ。

(文・あまのさき)

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