二宮和也“天城”が迎える結末が泣ける…特別なドラマになった理由とは? 『ブラックペアン シーズン2』最終回考察レビュー
text by あまのさき
二宮和也主演の日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)が放送中だ。前作から6年後を舞台に、東城大学医学部付属病院に現れた、“悪魔”のような世界的天才外科医・天城雪彦の活躍を描く。今回は、第10話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
封印された手術
天城雪彦(二宮和也)という天才外科医の登場ではじまった『ブラックペアン シーズン2』。8年前に医療過誤があった可能性のある徳永(井上肇)、そして結衣(堀越麗禾)の手術が同時に行われることになった最終回は、複数の衝撃とともに幕を閉じた。
開胸してみたものの、悪性高熱を発症し、どんどん状態が悪くなっていく徳永。しかも、過去の手術の影響でダイレクトアナストモーシスに使用できる動脈がない。公開手術という性質上、術死は避けたいと考える桜宮市医師会会長の真行寺(石坂浩二)は手術の中止を命じるが、天城は「これは僕のオペです」と言って聞かない。
そこへ佐伯(内野聖陽)がやって来て、8年前の顛末を天城に語る。もともとは真行寺が生み出し論文に記したダイレクトアナストモーシスだったが、あまりに人間離れした手術ゆえ封印されることに。それでも司(大和田伸也)は、預かった天城の命を救う術としてなんとか成功させようとした。
そんな折、同じ外科チームで働く徳永が心臓を悪くし、司は封印されていたはずのダイレクトアナストモーシスに挑戦。いくつもの動脈を使用したものの、結局手術は成功しなかった。佐伯の手で、徳永はなんとか一命をとりとめたものの寝たきりの状態になってしまう。
司は、天城を助けたいという一心だったのだろう。渡海の手術のために天城の動脈を使用したこと、8年前に徳永に対して行った手術はやや暴走している感はあれど、命を救うことに対する並々ならぬ執念には頭が下がる。