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“命を救うため”それぞれの医師たちの思い

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』最終話より©TBS
日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』最終話より©TBS

 
 最終回は、佐伯にもその想いが強く滲んでいた。徳永の手術中止を訴える真行寺、そして公開手術会場に集まった人々に対して、このまま閉胸して患者が助かるのならお知恵をお借りしたい、と前置きしたうえで、いまできることは「医者として、全生命力を注ぐこと」だと宣言。会場は大きな拍手に包まれた。

 そしてこの熱い想いは佐伯と敵対している菅井(段田安則)にも伝染。結衣のスナイプ手術に手間取っていた世良(竹内涼真)に対し、アドバイスを送ったのだ。司、佐伯、菅井…それぞれの立場やポリシーこそ異なるものの、みなが“命を救うため”に動いていく様子は感動を誘った。

 しかも、司はただ暴走しただけでなく、徳永の下腹壁動脈だけは温存していた。これは佐伯に言わせると、必ずやダイレクトアナストモーシスを成功させるだろう天城に、徳永の命を託すため。医学の進歩の裏側に、多くの挑戦と苦労、そして悔しさが秘められていることを実感した。

 全員の団結により、徳永と結衣の手術は成功。しかし、佐伯は藤原(神野三鈴)の裏切りによって、東城大病院の医院長選には落選してしまう。これにより、天城がスリジエハートセンターのセンター長になる話はなくなり、東城大からも去ってしまった。

 半年後、東城大から去っていた世良は、天城からの手紙を受け取りオーストラリアへ渡る。するとそこで、天城が亡くなったことを知らされるのだった。徳永の手術中にも不整脈を起こしていた天城は、恐らく自身の状態を悟っていたことだろう。世界で唯一の手技を行える天才医師の最期にしては、悲しいものに感じられた。

 だが、その数年後、天城の遺志は受け継がれていく。天城が植えた桜の木が見守るスリジエハートセンターには、「私を忘れないで」とのタイトルがついた天城が飾っていた絵がかけられる。センター長を務めるのは高階(小泉孝太郎)で、医学会会長の立場から佐伯が現場をバックアップしていく。

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