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悪魔のような2人の天才に愛された世良

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』最終話より©TBS
日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』最終話より©TBS

 シーズン1から、権力と地位を得るために数多の戦いが繰り広げられてきたが、まずは一旦収まるところに収まったのだろう。ここからは、その力をどう行使していくか。最終回で見せてくれたそれぞれの命に対する想いがあれば、きっと悪い方向にはいかないはずだ。

 終わってみれば、軸こそ天城であったものの、今シーズンも世良の成長を中心に描かれていた。渡海という天才の前になす術をなくして泣いていたあの頃から研鑽を積み、一人前になったところで天城という天才によりさらに磨かれた。

 「お前はいい医者になる(渡海)」から、「お前はいい医者だよ(天城)」へ。悪魔のような2人の天才に愛された世良は、普通の医師とは比べ物にならないほど成長しているはずだ。それは技術面だけではなく、命に対する向き合い方という意味でも。

 二宮の二役に注目してしまいがちではあったが、青臭く、ひたむきに世良を演じた竹内涼真にも拍手を贈りたい。壁にぶつかったり迷ったりしながらも、最後は信じた道を進むまっすぐな眼差しに、何度も勇気をもらった。天才がずっと先を走っていく中でも、彼がいてくれたからこそ、わたしたちは地に足をついて観ることができ、ゆえに物語にリアリティが生まれた。

 ラストには天城の桜の木を見つめる渡海と猫田(趣里)の姿も。佐伯は、「東城大を引っ張っていくのはお前(=世良)のような医者かもしれない」と言い、医療を推し進めるのは「天才の暴走」だと言った。東城大の白衣に袖を通す渡海は、世良がさらなる高みに上るために送り込まれた佐伯からの刺客だろうか。

 続編への期待が高まる最後となったが、まずはいま一度、この最終回を噛みしめたい。
 

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