天城と世良のバディ感が強まる

　公開手術＝ショーの開幕。天城は治験薬を逆手に取り、30分というタイムリミットを設けて手術を行うことを宣言する。デメリットもショーを盛り上げる一要素に。天城という医師の“魅せる力”の高さをまざまざと見せつけた。

　手術は、天城による血管の縫合と、世良による閉胸を同時に行う。手に汗握る展開だったが、世良も手腕を発揮し、なんとか1秒を残して成功する。かつて渡海という圧倒的な才能を前に泣くばかりだった世良の成長に、胸が熱くなった視聴者も多いはずだ。渡海のおかげで手にした実力が、天城との時間によってどんなふうに磨かれていくのかも、今後の見どころとなりそうだ。

　今回、年子は生活保護受給者だったため、手術費を支払うことができない。だが、それも公開手術という場を巧みに利用し、観覧の客たちから資金を集めることで回避した。

　医師として決して命を軽んじることなく最善策で治療に当たりながらも、対外的にはエンターテイナーのように振る舞う。医療をエンタメ化することでビジネスとして成立させていく天城。世良はその右腕としての役割を背負いながら、患者への共感や思いやりを欠かさない。

『ブラックペアン』の世界において、世良は倫理だ。ふわふわとたゆたうように天才を演じる二宮和也と、どっしり構えながら人間味と優しさをにじませる竹内涼真。この2人のバディ感が強まれば強まるほど、作品がさらに面白くなっていきそうだ。

（文・あまのさき）

【関連記事】
【写真】名コンビ誕生…二宮和也＆竹内涼真の色気漂う珠玉の劇中カットはこちら！ 日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』劇中カット一覧
趣里”猫田”のセリフに感動…二宮和也”渡海”の再登場を期待するワケ。 『ブラックペアン シーズン2』第2話考察レビュー
期待を超える初回の面白さ…なぜ二宮和也の演技は見る者を引き込むのか？ 『ブラックペアン シーズン2』第1話考察レビュー