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二宮の泣き演技に圧倒

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第8話より©TBS
日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第8話より©TBS

 他人の空似では説明がつかないほど瓜二つの2人が双子であったことがわかってすっきりした。だが、健康な血管を弟に譲り、違法手術の事実を隠すため養子に出された挙句、その後自身も心臓に疾患を抱えて幾度も手術をしてきたという天城が不憫でならない。

 佐伯の前でだけ感情を放出する天城。子どもみたいに佐伯の胸を叩き縋りつく。相変わらず、二宮和也の泣きの演技は絶品だった。天城の言う「返せよ」は、渡海に与えてしまった血管と、なによりも自分に与えられるはずだった家族との時間を指しているのだろう。

 渡海が一度救いはしたものの、もう実の母もこの世にはいないのだ。天城が失った両親との時間は永遠に戻ってこない。

 渡海家で倒れ、緊急搬送された天城を救う手立てはダイレクトアナストモーシスしかない。天城の心臓は、天城にしか治せないという皮肉な展開。そこで佐伯がエルカノを使ってダイレクトアナストモーシスを再現することに。

 途中、江尻(大黒摩季)が邪魔をしようとするが、高階(小泉孝太郎)は自分の信念に基づいて耳を貸さない。手術の場にはいなくとも、天城を救おうとする東城大心臓外科の面々の姿勢に熱いものがこみ上げてくる。

 手術中、緑内障による視野の欠けから佐伯の手術の手が止まる。しかし、世良の誘導により感覚で縫い進めていく姿はもはや神の領域。それを表現するかのようにクラシックが高らかに響く。天城が手術をしているときのような演出だ。

 順調かに思われたが、天城の心臓の状態はよくない。手術継続は困難と諦めかけたとき、ついに渡海が登場する。ダイレクトアナストモーシスはできないと言った渡海はどんな手術を行うのか。そして、天城の心臓は持ちこたえられるのか。すべては次週へ持ち越しになった。

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