天城が語るダイレクトアナストモーシスの誕生秘話
徳永の手術前、天城は世良にダイレクトアナストモーシスの誕生秘話を語る。いわく、自分の育ての母がバイパス手術中に心筋梗塞を起こし、司の部屋で見つけた論文を思い出して初めてダイレクトアナストモーシスを行った。
手術は成功したかに見えたが、悪性高熱により母は死亡。これは天城が唯一経験した術死だった。
手術の朝、母は占いの結果が悪いことを気に病んでいた。これがきっかけとなって、天城のシャンス・サンプルがスタートしたという。
いまの天城のスタイルを作り上げているのは、すべて自身の悲しい過去に基づいていることが明らかになった。天城が時折見せる儚げな表情は、こういった経験によるところが大きいのだろう。
世界でたった1人しかできない手術ができたとて、心からの幸福を感じたことはないのかもしれないと考えると辛い。