水上恒司の目に宿る力強さ
手に汗握る展開もあった第2話。ドラマだから全員助かるよね、とならずに観ていられるのは、人命を助けたい一心で希望的観測を含んだ無謀な判断をしそうになることを止められる優吾という人物が存在しているからだろう。過去に灯を救えなかった晴原への憎しみはあれど、彼は職務となればそういった私情を脇に置いて置ける人。
他の班員たちが救助を諦めようとする中でも、要救助者の探索をやめなかった。あのとき優吾を演じる水上の目に宿っていた力強さは、信じる者の説得力に満ちていた。
一方で、佐竹に「レスキューにはいらない」と告げたとき。このときも優吾は私情を挟まず、消防班班員としての意見を言葉にした。だが、ここは災害現場ではない。優吾は顔をゆがめ、佐竹に救助された子どもの頃のような不安を滲ませ、ぽろぽろと涙をこぼす。
水上が演じる優吾は、何に対しても真っすぐな人なのだと感じた。その瞬間瞬間に、100%でぶつかっていく。だが、いまのところ危なげな様子がないのは、冷静さも持ち合わせているから。弱冠24歳にして、それが青臭くならないのも水上のすごいところだろう。貫禄と覇気が違う。レスキュー隊員として信頼に足る人物を演じるのに、水上恒司ほどぴたりとハマる人はいない。
次回、第1話から登場していた脳外科医の汐見早霧(夏帆)が、ついにSDMのメンバーと接触するようだ。医師として傷を負っている早霧を迎え、晴原がSDMをどんなチームにしていくのか、興味深く見守りたい。
(文・あまのさき)
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