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回を追うごとに魅力が増す…女優・出口夏希の可能性とは? ドラマ『ブルーモーメント』第4話考察&感想レビュー

ドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)が毎週水曜よる10時から放送中。SDM(特別災害対策本部)の気象班チーフ・晴原柑九朗(山下智久)が気象災害で脅かされる人命を守るべく奮闘する。今回は、雲田彩を演じる出口夏希の熱演が光る第4話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

雲田彩が抱える罪悪感

『ブルーモーメント』第2話より ©フジテレビ
ブルーモーメント第2話より ©フジテレビ

「きれいは汚い、汚いはきれい」と晴原(山下智久)は『マクベス』の有名な言葉を引用した。物事は常に表裏一体だ。目に見えているものだけがすべてではない。例えば、気象。人知を超えた猛威をふるう災害となることもあれば、本作のタイトルである「ブルーモーメント」や、今回登場した「天使の梯子」「ダブルレインボー」のような素晴らしい現象に出合わせてくれることもある。

今回、SDMのメンバーは自分たちの活動の意義を高めるため、災害教育を行うべく千葉県華原市を訪れる。SDMの指揮車両に歓声を上げ、楽しそうに防災マップを彩っていく子どもたちの中に、半年前の豪雨で祖父を失う経験をした少女がいた。

彼女も明るく振る舞っているように見えたが、祖父との思い出の品であるぬいぐるみを雲田彩(出口夏希)に直されてしまったことで過呼吸の発作を起こしてしまう。「フラッシュバックのきっかけは人それぞれ」「お節介」と丸山(仁村紗和)や晴原に指摘され、彩はみるみる自信をなくしていった。

彩を「力のない者」といった晴原の言葉は、とくに深く心をえぐっているように見えた。それは、3年前のつむじ風により、姉の真紀(石井杏奈)が横転したクレーンに巻き込まれる様子を目の当たりにした経験があったからだろう。自分だけが助かったことへの罪悪感。汐見早霧(夏帆)の言う「サバイバーズギルト」だ。

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