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最高!「ラッパと娘」フルコーラス

趣里、陰山泰 連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
趣里陰山泰 連続テレビ小説ブギウギ©NHK

『ラッパと娘』のステージのシーンは圧巻! 舞台で両手両脚を振り回し歌うスズ子の躍動感、トランペット奏者・一井(陰山泰)のカッコよさ、そしてスズ子の煽りやリズムに合わせてアップになる楽器と演奏者たち。そして、最高潮でのスズ子の煽り「歌およ!」で一気に立ち上がり演奏する楽団と、羽鳥の満面の笑み!クーッ、アガる!

これらが絶妙のタイミングで切り替わり映るカメラワークは、感動で体が震えた。客席から聴こえるどよめきや歓声も込みで、すさまじい臨場感と興奮が伝わる。音楽ってなんて素敵なんだろう! スタンディングオベーションからの、茨木りつ子(菊地凛子)の「どうしようもなく下品ね……」というセリフまでのあの約3分半は、すごいものを観たと思った。朝ドラ伝説シーンに認定していいだろう。

最後まで後ろでガッツポーズをしながら、嬉しそうにフレームの中央にインしてくる羽鳥の姿は微笑ましく、まさに音楽小僧。あの指揮のシーンの細かい動きは、は脚本には特に指示はなく、草彅のアドリブだったそうだ。すごい!

この『ラッパと娘』が自己解放の曲だとすると、2曲目の『センチメンタル・ダイナ』は、自己確立の歌。スズ子が日宝の引き抜きトラブルに巻き込まれ、梅丸に対して義理を欠いてしまう形となる回。彼女は、大反省はするものの、委縮はしない。トラブルについて謝罪をしたその流れから「今回で自分の価値いうんも考えました(キリッ)」と、しっかりギャラアップを交渉するのだ。強い、強い、強すぎるスズ子!

その後披露される『センチメンタル・ダイナ』では、大阪に帰る汽車に乗る秋山美月(井原六花)と交互に映り。秋山がタップを踏む場面と彼女の歌唱がシンクロ。スズ子は歌い終わった後、高々とこぶしを上げた。二人の自立がエモーショナルに描かれて、とても清々しかった。

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