ホーム » 投稿 » ドラマ » 『ブギウギ』で描かれた誘拐事件の真実は? 伝説の「第7回紅白歌合戦」の史実も解説。NHK朝ドラマ考察&感想レビュー » Page 3

危機管理大丈夫!?
スズ子の「義理人情」にビックリ

このか、趣里、連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
このか趣里連続テレビ小説ブギウギ©NHK

幸いにも娘・ヱイ子ちゃんは危害を加えられず、無事保護されたが、この事件のわずか1年後、当時大人気だった舞台芸人・トニー谷の長男誘拐事件 (1955年7月23日)も起こっている。

犯人が語った犯行の動機は「トニー谷の、人を小バカにした芸風に腹が立った」。このことでトニー谷は被害者なのに「誘拐の真因はトニーが世間から嫌われることをやっていたからだ」と徹底的に叩かれ、しばらく人間不信となったという。

そういった不穏な時代背景を踏まえてドラマを観ると、スズ子が「義理と人情やで!」と言いながら、誘拐犯の男(水澤紳吾)を庭師として雇い、ともに食卓を囲み、男女歌合戦に出場した大晦日には、その男に留守をあずけていることにビックリ!

どどどドラマとはいえ、義理と人情とは分けて考えたほうがいい案件なんじゃないの、スズ子!? あまりにも危機管理に乏しい。

はじめ君(井上一輝)はかわいいけれど、無駄にヒヤヒヤしてしまった。この父子は、スズ子のさよならコンサートにもガッツリ参戦していて、罪を償えばちゃんと再生できるという、最高の見本ではあった……。

1 2 3 4 5 6
error: Content is protected !!