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マンボにも挑戦していた笠置シヅ子の歌手後期

趣里、連続テレビ小説『ブギウギ』©NHK
趣里連続テレビ小説ブギウギ©NHK

ドラマでは描かれなかったが、1952年頃からブギブームが低迷を見せてからも、笠置シヅ子はずっと模索を続けていた。1953年発売の「たのんまっせ」は、おばちゃんがタクシーを急かす風景が見え、「買い物ブギ」に通じる面白さがある名曲だ。

1955年ごろから、ブギに変わってマンボが世界的なブームを巻き起こし、美空ひばりの「お祭りマンボ」や江利チエミの「パパはマンボがお好き」、雪村いづみの「マンボイタリアーノ」がヒット。シヅ子も「ジャンケン・マンボ」「エッサッサ・マンボ」を歌い、時流に乗ろうとしている。

さらに、ドラマでは羽鳥慎一が作った歌以外は歌っていないとなっているが、「お祭りマンボ」を手掛けた原六朗作詞作曲の「私の猛獣狩り」という楽曲も歌っている。この歌は、当時公開され話題になっていたゴジラも登場する、キャッチ―な内容だ。それでも、昔のようなヒットとはならなかったのだ。

若手に比べられ、シビアに時代の流れを感じる現場があったのは、想像に難くない。笠置シヅ子が歌手を引退したのは1957年1月。シヅ子が不在となった同年の第8回紅白歌合戦では、出場2回目の美空ひばりが「長崎の蝶々さん」でトリを務めている。

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