永瀬廉の”瞳”に宿る光と闇
第4話の予告では、倖生の父親が犯罪者であることが明かされた。和紗も察しているように、倖生はじわじわとありすに恋に落ちている。しかし、本人は犯罪者の息子に恋愛をする資格がないと思っているようだ。
それにしても、永瀬はなにかを抱えている役柄を演じることがすこぶる多い。2019年放送のドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)で、父親に暴力を振るわれている高校生・明智を演じたあたりからだろうか。
連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合、2021年)の“りょーちん”も、『真夜中乙女戦争』(2022年)で演じた私も、『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系、2023年)の音も、大きくふたつに分けるとするなら“闇属性”と呼ばれるキャラクターだった。
そして、憂いを秘めた役柄がとにかくハマる。筆者が、永瀬の真骨頂だと思っているのは“瞳”の演技。『俺のスカート、どこ行った?』でも『おかえりモネ』でも、自分を変えてくれた人に出会えた瞬間に、パッと瞳に光を宿らせていた。
『厨房のありす』でも、ありすが倖生の瞳に光を与えることができるのだろうか。ありすの実母・蒔子(木村多江)が「ありすのお勝手」にやって来たことで、なにやら不穏な空気が漂っている八重森家。次週の放送もハラハラしながら見届けたいと思う。
(文・菜本かな)
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