”火10”枠で放送中の二階堂ふみ主演のドラマ『Eye Love You』（TBS系）。遂にテオの絵本の結末を知ってしまった侑里。その余りに過酷な運命へのテオの覚悟と愛を知った侑里は思い悩む。今回は、侑里が辛い決断を下した第9話のレビューをお届け。（文・菜本かな）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール：菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

絵本の結末を知ってしまった侑里の決断は

「実はもう1人、私のほかに彼女の秘密を知る人がいます。その人の名は、ユン・テオ。彼女の恋人です」

飯山教授（杉本哲太）の発言により、「もしかして？」と思ってきたけれど目を逸らしてきた疑惑が、確信に変わってしまった。やっぱり、テオ（チェ・ジョンヒョプ）は侑里（二階堂ふみ）がテレパスの能力を持っていることを知っていた。なのに、気づかないふりをしてくれていたなんて……。

それだけでなく、テオは自分の運命を知りながら、侑里を愛してくれていた。侑里と同じテレパスの能力を持つミン・ハナ（玄理）が書いた絵本は、「少年は、夜空に輝く星となりました」という文で締められている。これはハナに起きた実話であり、彼女は愛した恋人を亡くしている。

だから同じことにならないように、飯山教授とハナはテオを侑里から遠ざけようとしていた。しかし、テオは「僕は、絶対に別れません」と言い張っている。「僕は侑里さんが好きです。2人が同じ力を持っていても、その気持ちは変わりません」と。

ただ、「心の声が聞こえる人に愛される＝死ぬ」という方程式ができあがっているのには、疑問を感じる。同じ能力を持ったハナの恋人が亡くなったからといって、侑里が愛した人が死ぬわけではないのでは？

しかも、「念のため、ね？」というスタンスなら分かるが、飯山教授もハナも、この方程式を信じ切っている。ハナから話を聞かされた花岡（中川大志）まで、「ってことは、テオくんは死ぬんだね……」みたいな顔をしているのだ。

誰かひとりくらい、「それは、たまたまハナさんの恋人がそうだっただけで」と言う人物が出てきてもいいような気がしてしまう。

最終回では、ハナの恋人が亡くなった原因がテレパスの能力と深く関わっているとか、何らかのつながりが描かれるのだろうか。それとも、“あの”花岡がそう思っているということは、もうこの方程式は確定でいいのだろうか（花岡への絶対的な信頼感）。