純子と市郎に待ち受ける未来とは
一方、昭和ではPTAになったサカエが、キヨシのクラスの不登校児に対し放置すべきではないと先生に抗議する。キヨシは令和では自分も不登校だったことから、SNSがない時代の不便さを感じていた。しかしラジオにハガキを送ることで、相手に負担にならないようにメッセージを送ろうとする。
令和では、栗田が昇進したことで渚もプロデューサーに昇格。そして担当番組のMCになった八嶋智人が不祥事を起こさないように見張るため、携帯にGPSを仕込み、監視しているところだった。
ところが八嶋智人は生放送終了後、自宅には戻らずスカイツリーの周りをぐるぐると回るなどの謎の行動をとる。しかし、八嶋本人にこの件を突き付けると、実は番組のためにけん玉を練習していただけということがわかった。
その後、市郎は、現在神戸から調布に拠点を移してテイラーとして働くゆずるのもとを訪ねると、ゆずるは自分が仕立て屋として一本立ちした際の1着目を市郎にプレゼントしようとしていたことを話す。
市郎は純子とゆずるの結婚当初、2人のことを拒否し続けており、ゆずるの申し出も無視していた。しかし東京まで迎えに着た純子に連れられて神戸まで来たのだという。
テイラーとして一本立ちしたばかりのゆずるは、顔を見せた市郎に緊張しながらもなんとか採寸を終え、市郎は可愛い孫である渚のことも抱っこしたのだった。こうして市郎は娘夫婦とのわだかまりを解消するが、市郎が東京へ戻ろうと純子と駅に向かうすがら、阪神淡路大震災に巻き込まれ、亡くなってしまうことを聞かされる。
自分と娘の死の真相を知り、市郎は驚くかと思われたが、以前、渚から母が阪神淡路の年に亡くなったことと、写真に記載されていた日付から市郎はこのことに気づいていたのではないかと、渚の話を聞く秋津(磯村勇斗)は考えていた。
ゆずるは自分の不手際によって純子と市郎を死なせてしまったことを悔やんでいたが、市郎は怒鳴るどころか、孫を抱っこしたり娘夫婦と酒を飲める未来に対して希望を持っていた。
頭を下げるゆずるに、市郎は自分のために仕立てた背広はあるのかときく。ゆずるは初めて仕立てた背広をずっと保管していた。