まともに練習している生徒はたった一人…。
家庭科教師の山住香南子(黒木華)がキーパーソンに
物語は、とある試合シーンを断片的に切り取り、そして、2016年の3月にさかのぼるところから始まる。
地理と歴史科教師の南雲脩司(鈴木亮平)は、36歳にして教員免許を取り、三重県立越山高校で教鞭を取り、その人望も厚さから、新年度から野球部の部長兼監督就任を打診されていた。定年間近の横田宗典(生瀬勝久)から、「せめて名前だけ」という必死の誘いだった。
しかし、その野球部で、まともに練習しているにはたった1名。しかも、頭を金髪に染めた日置誠(菅生新樹)だけで、あとは幽霊部員ばかり。そもそも越山高校は、落ちこぼれが集まる高校として地元では「ざんねんなざん校」と呼ばれていた。
南雲は、妻の美香(井川遥)と2人の子どもとの時間を重視し、再三の要請にも首を横に振るばかり。
そんな中、家庭科教師の山住香南子(黒木華)が越山高校に赴任する。幼少期から野球が大好きだったにもかかわらず、自身は女性であるために野球部に入れなかった過去を持ち、南雲と共に野球部を強くしたいと思っていた山住は、運動の才能のある中学生を越山高校に勧誘していた。