最終局面で翔が3球三振
ついに掴んだ“日本一の下剋上”
まさに試合が行われている間も、学校では丹羽らが金策に動いており、一方で犬塚(小日向文世)は、ずっと渋っていた目の手術を受けていた。
準決勝に続いて先発マウンドに立った根室(兵頭功海)だが、前日130球を投じた疲れが見え、5回に先制を許す。対して越山は、賀門から託された作戦メモを参考にした南雲の采配によって、同点に追いつく。しかし、2番手としてマウンドに送った伴もつかまり、すぐさま突き放される。
そしてついに、エースの犬塚翔(中沢元紀)がマウンドに上がり、さらなる追加点を許さない。
南雲は円陣を組み、「どんな汚い手を使ってでも、スポーツマンシップに反してでも勝ちたい」と本音を語る。そんな指揮官の姿に、ナインは気持ちのギアをさらに上げる。
8回、椿谷(伊藤あさひ)がバントヒットで出ると、南雲はなんと代走に手負いの久我原を指名する。久我原はわざと飛び出し、ランダウンプレーを誘い出す。その間に3塁ランナーをホームインさせるという頭脳プレーを見せる。流れを呼び込んだ越山は、その後、連打でついに逆転し、このゲームで初めてリードする。
6-5で迎えた最終回、無死満塁のピンチを迎えるが、「先輩を勝たせたい」と強く願う2年生の攻守によって、2死をもぎ取り、最後は翔が3球三振で試合を締め、“日本一の下剋上”は現実のものとなる。