ホーム » 投稿 » ドラマ » 作者も驚いた原案通りのエピソードとは? 鈴木亮平”南雲”の名言が炸裂…日曜劇場『下剋上球児』第7話考察&感想レビュー » Page 4

元メジャーリーガー川﨑宗則が登場
野球ファンも驚きのキャスト陣

©TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
©TBSスパークルTBS 撮影ENO

ついに8強入りしたところで第7話は終わるが、準々決勝へ向けての意気込みを報道陣に質問された主将の椿谷(伊藤あさひ)は上ずった声で「日本一の下剋上を目指します」と宣言する。いや、つい声に出てしまったという表現の方が正しいかもしれない。まるで自己催眠にかかったかのように自信満々の闘いぶりを見せ、勝ち続ける越山ナイン。夢舞台まで、あと3勝だ。

確かに、教員免許を偽造した南雲は、不起訴になったとはいえ“犯罪者”なのかもしれない。南雲がどれだけ強い信念を持ち、生徒一人ひとりに対し真摯に向き合い、教師としての才覚があったとしても、その罪は消えない。南雲が法を犯した過去は残り、多くの人を裏切ったことには変わらないのだ。裏切られた側の犬塚と丹羽校長の怒りも十分に理解できるものだ。

しかしながら、南雲の「これからだってどんどん伸びる、どこまでだって行ける」という言葉や、「おじいを甲子園に連れてって」という犬塚に、翔が「甲子園連れていく」と即答し、犬塚が目を細めるシーンが印象的だ。南雲は確かに、選手たちのメンタルを根底から変えてみせたのだ。

たった一度の失敗で人生を台無しにされてしまいがちの今の世の中にあって、「再チャレンジ」の大切さを説いているようにも感じる。加えて、近眼のまま野球を続け、大切な場面でエラーを犯した楡のエピソードは菊地高弘氏による原案通りで、その事実を聞いた菊地氏は仰天したという。

第1回では、元阪神・ロッテの鳥谷敬がゲスト出演したが、今回、練習試合相手の三重西の監督役として、元ソフトバンクでメジャーでも活躍した川﨑宗則が登場した。

また、オーディションから一度落選するも“下剋上”で、タレント・中山秀征の長男で、元宝塚歌劇団星組トップ娘役で俳優・白城あやかを母に持つ中山翔貴が新入生の阪大輔役で登場。中山は小学1年から野球を始め、東都の名門・青山学院大学野球部の投手だった経歴の持ち主だ。

そんな中山ですら、そのプレーレベルの高さに驚くほど、球児役のほとんどが野球経験のあるキャストである上に、“本物”の選手を惜しげもなく登場させることで、本作はドラマファンのみならず、野球ファンからの注目も集めて続けている。

(文・寺島武志)

【関連記事】
「映像化されない方がおかしいと思った」『下剋上球児』著者・菊地高弘、インタビュー【前編】TBSドラマの原案として話題
「彼らは“リアル・ルーキーズ”ではない」『下剋上球児』著者・菊地高弘、インタビュー。TBSドラマの原案として話題【後編】
“無免許教師”事件はどうなった? 他のドラマにはない没入感の理由とは? 日曜劇場『下剋上球児』第6話考察&感想レビュー

1 2 3 4
error: Content is protected !!