ついに迎えた準決勝
山住の容態が試合にどう影響する?
重要な一戦の先発に、南雲は、先発投手をエースの犬塚翔(中沢元紀)にするか、オーバースロー転向をきっかけに急成長し“ダブルエース”といえる存在となった根室知廣(兵頭功海)かで悩む。星葉に翔を研究されていることに気付いていた南雲は、あえて根室を先発マウンドに送る決意をする。“負けたら終わり”のトーナメントで、大バクチに出た格好だ。
孫の翔が先発することを信じて疑わない樹生(小日向文世)は、翔をキャッチボールに誘う。しかし、目の病気が悪化しているようで、全く狙ったところに投げられない。翔はそんな樹生を見て手術を勧めるが、樹生が頑として首を縦に振らない。
南雲は勤務先で応援の声を聞き、越山ナインには、日沖誠(菅生新樹)らOBからの差し入れや、後援会から募金も届く。対する校長の丹羽(小泉孝太郎)は、仮に甲子園に出場したら、いくらかかるのかも分からず、甲子園出場経験のある他校に問い合わせする。
このエピソードも菊地高弘氏による原案となった著作に基づいており、実際に初出場を決めた白山高校には、甲子園に行くにはいくらかかり、何がどれだけ必要なのかなどといったノウハウが全くなく、甲子園常連校にアドバイスを求めまくったという逸話が残されている。
そんな中、練習中に山住にファウルボールが直撃するアクシデントが起こる。選手たちは動揺するが、山住は「南雲にはこのことを言わないように」とだけ伝える。これが後になって大問題を引き起こすことになるのだ。
何も知らされなかった南雲は、ナインとの触れ合いを回想しながらノックバットを振り、そして、星葉戦のスタメンを発表する。翔や椿谷のスタメン落ちにナインは動揺するが、“フォア・ザ・チーム”の考えの下、一丸となった。
そして迎える準決勝・星葉戦。いつもは騒がしいナインが、移動バスの中で誰も口を開かないほどの緊張感に包まれる。
その緊張を解きほぐすように、ベンチ入り選手に手製のお守りを渡す山住。しかしその直後、練習中に打球が直撃した箇所が痛み出し、病院に運ばれる。そして、それが自分たちのせいだと感じたナインは動揺する。
その事実を知らない南雲が、かつての恩師であり、今回は挑戦者としての立場で賀門と相対するところで8話は終了する。