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原案本を読めば数倍楽しめる…? 日本一の下剋上の先に待ち受けるものとは? 日曜劇場『下剋上球児』第9話考察&感想レビュー

text by 寺島武志

鈴木亮平主演の日曜劇場『下剋上球児』が放送中。越山高校野球部は夏の予選で、創部初の4強入りを果たす。星葉高校との準決勝、南雲の用意した奇策に対し、星葉の賀門監督もまた対越山の戦術を用意していた…。今回は、そんな第9話のあらすじとレビューをお届けする。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

原案本との比較にみる本作の魅力

©TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
©TBSスパークルTBS 撮影ENO

TBS系ドラマ『下剋上球児』第9話が、12月10日、放送された。

「日本一の下剋上」を目指す越山ナインは、夏の甲子園予選の三重県大会で34年ぶりにベスト8に進出。準々決勝も制し、創部初の4強入りを果たした。

かつて味わったことのない緊張感に包まれる選手たち。そして、運命の準決勝。その相手は南雲(鈴木亮平)の恩師である賀門英助(松平健)が率いる甲子園常連校の星葉高校だ。

原案となった菊地高弘氏による著書によれば、越山高校のモデルは三重県立白山高校であるが、ライバルの強豪・私立星葉学園高校のモデルは、三重県立菰野高校。

また、ドラマ制作陣からは明かされていないが、星葉のエースにして主砲の児玉拓海(羽谷勝太)のモデルは、2019年のドラフトで、中日ドラゴンズから5位指名を受け、プロ入りした岡林勇希を想像している人も多いだろう。

岡林は1年目からウエスタンリーグMVPに選出され、2年目からは一軍に定着、2022年には最多安打のタイトル、そしてゴールデングラブ賞とベストナインにも輝いた。セ・リーグ外野手部門では史上最年少(20歳9か月)でのベストナイン受賞だった。加えて、今シーズンには球団新記録となる29試合連続安打を達成し、再びベストナインに選出されている。

プロ入り後は打者に専念したが、菰野時代はMAX153キロの本格派右腕として活躍し、二刀流でチームを引っ張る中心選手だった。“白山の奇跡”によって、全国大会への出場は叶わず、甲子園未経験の一流プロ選手の1人だ。

このように、後にプロでバリバリのレギュラーを張る選手を擁する相手にも、一歩も引くことなく立ち向かい、結果的に撃破してしまうのだから、白山高校がどれくらいの偉業を成し遂げたかが分かるだろう。

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