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家族以外の救いの場。『GO HOME』が伝えるテーマ

『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第6話 ©日本テレビ

『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第6話 ©日本テレビ

 母親はともかく“毒親”といえる父親が登場したことで、どのようなラストになるのかと一瞬不安な気持ちを抱いたが、杞憂に終わった。桜とハルピは、拓真と文子に15万円を差し出し、供養は警察で行うことを提案。あっさりと受け入れた拓真は「生意気なこと言って家飛び出して、結局死んじまうんだから…かわいそうにな」とキイちゃんをさげすむ。

 すると、ハルピは「キイちゃんはかわいそうなんかじゃない! あんたと一緒に死んでくれる人がいる!? あんたが死んで、泣いてくれる人がいる!? 少なくともキイちゃんには、そういう仲間がいたよ。あんたなんかよりキイちゃんの方が、よっぽど幸せだったんだから!」と声を上げるのだった。

 最終的に、娘にDVをしていた拓真と暮らし続け、遺骨を引き取らなかった母・文子の決断に何も思わないわけではないが、紗季に目を向ければ“読後感”は異なる。

 紗季は学校にも家にも居場所はなかったが、死んだ時に涙を流してくれる友人はいた。それだけで、彼女の人生がただ「かわいそう」なものではなかったということを証明している。

 たとえ家族同士であってもすべてはわかりあえないことをここまでの6話で繰り返し描いてきた『GO HOME』らしい結末であると感じた。と同時に「家族がいる場所以外にも帰るところがある」というメッセージに救われた人も少なくないのではなかろうか。

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