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犬、LGBTQ、人工授精…散らばって見えるテーマに唸らされたワケ。ドラマ『GO HOME』第7話考察レビュー

text by まっつ

ドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』(日本テレビ系)が土曜日夜9時より放送中だ。本作は、“名もなき遺体”の身元を特定し、家族の元に返すために小芝風花&大島優子のバディが奔走する、ミステリー×ヒューマンドラマ。今回は第7話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

遺留品ならぬ“遺留犬”が登場

『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第7話 ©日本テレビ
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第7話 ©日本テレビ

『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)第7話では、様々な要素が登場した。遺留品ならぬ“遺留犬”、婚活アプリ、LGBTQ、人工授精など…。情報だけ聞くと、内容が散らかった回になったかと想像してしまうが、『GO HOME』らしい、ひとつのテーマに突き進む強さを感じる1時間となっていた。

 今回の主軸に置かれたのは、犬の散歩中に亡くなった川崎千明(大後寿々花)とトリミングサロンの代表・浜野真由美(宮本茉由)の関係性だ。三田桜(小芝風花)は身辺捜査から2人が恋人関係であったと予想する。しかし、亡くなった千明の父は同性恋愛に複雑な思いを抱いており、「受け取らないと、駄目なんですかね」と遺骨の引き取りを渋っていたのだった。

 今どき、愛する娘が同性愛者だからだといって、遺骨の引き取りさえ渋るのだろうかという疑問は生まれる。だが、これまでの『GO HOME』で描かれてきたように、人には人の数だけ事情がある。

 今回で言えば、普通に男性と結婚して、旅館の跡取りを産んでほしいという思いが父にはあった。たとえ100%理解することはできなくとも、桜の言うように「他人には分からない、受け入れられないことだってある」ということを頭に入れておく必要があるのだ。

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