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次回は、手嶋(阿部亮平)が中心に?

『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第7話 ©日本テレビ
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』第7話 ©日本テレビ

 人工授精という多少強引な方法を用いてでも、千明が両親の理解を得ようとしていたことを真由美は伝えている。それは、同性愛がまだまだ普通のこととして受け入れられるのは難しいということを暗喩する。少なくとも、千明の両親にとってはそうだった。

 それでも、真由美の行動は少なからず届いた。親からして見れば、“他人”が、亡くなった娘のために、親である自分たちにここまで礼を尽くし、頭を下げているのだ。勿論、そこまで彼女を駆り立てたのは千明への強い想いだが、突き詰めれば、他者を思いやることは普遍的なものだ。

 第三者からすると特殊にも見える関係の中でも、誰しもが持ちうる普遍的な感情が生まれていたということを、『GO HOME』は改めて教えてくれる。

「頭ではわかっていても、心が追いつかない」父も世間的にはもしかすると多数派かもしれないし、現実世界では最後まで納得いかない人だっているだろう。それでも、自分の子がこれほど誰かに愛されていると知って喜ばない親はいないのではないだろうか。そんな「当たり前」のテーマの最後に、真由美がつぶやいた「千明のことを好きなままでいられる」という言葉が優しく響く。

 そして第8話では、これまでも存在感を度々示してきた手嶋淳之介(阿部亮平)中心の回となりそうな予感。クールながら、このドラマでは愛らしさも感じることができる阿部のどんな魅力が見られるか注目したい。

(文・まっつ)

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