吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』（NHK総合）。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。「月夜の陰謀」と題した第10話では、右大臣家の計画により花山天皇を退位させられてしまう。今回は、まひろと道長との関係に大きな変化が起きる第10話の内容を振り返る。（文・苫とり子）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール：苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

月が照らし出す真実

第10話のタイトルは、「月夜の陰謀」。まひろ（吉高由里子）と道長（柄本佑）の契りも、右大臣家の謀も、闇夜に浮かぶ月だけが見ていた。

急病で倒れ、意識がないと思われていた兼家（段田安則）が仮病と判明した前回。時を見計らい目を覚ました兼家は道長たち一族を巻き込んで、秘密裏に花山天皇（本郷奏多）を退位させ、孫の懐仁親王（高木波瑠）を擁立する計画を一気に推し進める。

結論から言えば、計画は見事成功した。それは道兼（玉置玲央）が花山天皇の心を掌握していたからに他ならない。父から暴力を振るわれ、冷遇されている可哀想な自分を装い、花山天皇に近づいた道兼。純粋な花山天皇はそんな道兼に同情し、すっかり信じ込んでしまっていた。

その結果、出家に追い込まれてしまう。