まひろの”志”とは
「わたしは都であなたのことを見つめ続けます。片時も目を離さず、誰よりも愛おしい道長様が、政によってこの国を変えていく様を、死ぬまで見つめ続けます」
自ら内裏に上がり、世の中を変えていくことはできない。ならば、せめて道長がそれを成し遂げる様を見届ける。それがまひろの“志”だった。道長の燃え上がる心とは対照的に、冷静なまひろの心。
けれど、道長と契りを交わすまひろの目からは涙が溢れた。隠したくても、二人の頭上から零れ落ちるように差し込む月明かりがまひろの濡れた頬を照らしてしまう。まひろが見上げる道長の顔も月明かりに照らされていた。
光る君へ。タイトルが回収されたともいえる第10話は、真実も本音も明らかにしてしまう月が妖しげに、そしてロマンチックに光る回だった。
(文・苫とり子)
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