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どんどん落ちぶれていく…玉置玲央“道兼”の好感度が上がっているワケ。 NHKドラマ『光る君へ』第15話考察&感想レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。道隆が独裁を進めるなか、ききょうが定子と初対面し、”清少納言”誕生の歴史的瞬間が訪れる。今回は、第15話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

道隆の独裁に拍車がかかる中、しのびよる疫病の影

『光る君へ』第15話より ©NHK
光る君へ第15話より ©NHK

長らく貴族社会の頂点に君臨した兼家(段田安則)が亡くなり、その後を長男・道隆(井浦新)が継いだ。関白となった道隆は強引に娘である定子(高畑充希)を中宮に据え、詮子(吉田羊)を内裏の外へと追いやる。

その2年後、一条天皇(塩野瑛久)は麗しく成長。道隆の独裁には拍車がかかり、伊周(三浦翔平)らに身内びいきの人事を行うばかりか、定子のために公費を投じ始める。道長(柄本佑)は兄のやり方に納得がいかない。宮廷でも道隆を批判する声が多くあり、「帝を手玉に取っていい気になっている」と定子を悪く言う者たちも増え始める。

そんな中、内裏で女房として働くことになったききょう(ファーストサマーウイカ)は、道隆の妻・貴子(板谷由夏)に定子の話し相手になってほしいと頼まれる。定子の美しさに思わず言葉も失い、見惚れるききょう。その日、彼女は定子から「清少納言」という名を与えられた。

一方、まひろ(吉高由里子)はさわ(野村麻純)と参籠に訪れた近江の石山寺で思いもよらぬ人物と出会う。幼い頃から愛読していた『蜻蛉日記』の作者で、兼家の妾だった藤原寧子(財前直見)だ。

寧子との会話から滲む兼家への愛情に心を打たれるまひろ。日記にも登場した寧子の息子・道綱(上地雄輔)にも会えたことで心が満たされるが、石山寺から帰る道中、川辺に転がる複数の死体を目にする。都で疫病が流行し始めていたのだった。

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