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定子に対面するききょう
まさに“推し”を前にした時の表情

『光る君へ』第15話より ©NHK
光る君へ第15話より ©NHK

もう一つ、第15話の見どころとなったのが、ききょうと定子の出会いだ。ファーストサマーウイカがききょうが定子の美しさに衝撃を受ける場面をコミカルに演じた。

幼くして天皇となり、母である詮子にも厳しく育てられた一条天皇の孤独を理解している定子。道隆の娘とは思えないほど愛情に溢れた彼女の人柄は外見にも現れており、まるで女神様のよう。

そのあまりの尊さにききょうは語彙力を失い、浄化されたかのような表情を浮かべる。そんな彼女の姿は、まさしく“推し”を前にした時のそれで笑ってしまった。恋とも、単なる憧れとも表現できない複雑な感情がそこにはある。

脚本家の大石静は本作で、家族、恋人、友人といった名前がつけられない関係性を映し出してきた。例えば、道長と行成(渡辺大知)。二人は若き頃、公任と斉信(金田哲)とともに見目麗しい貴公子として貴族の女性たちの視線を浴びていた。

行成は6歳年上の先輩・道長を慕っており、道長にとっても文学に長けた行成は良き相談相手。互いに尊敬し合っている。けれど、行成は道長が恋をしていることに気づき、「好きな女子がいらっしゃるのですね……」とちょっぴり切ない表情を浮かべていた。それが恋なのかは定かではないが、憧れ以上の感情が見え隠れする。

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