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『枕草子』の有名な一説「香炉峰の雪」

『光る君へ』第16話より ©NHK
光る君へ第16話より ©NHK

『光る君へ』第16回「華の影」は、さわがまひろへの劣等感を滲ませる場面から始まり、さまざまな光と影が描かれた。

特に対照的に描かれたのが、若者たちが集い華やかさを増す登華殿と、疫病患者が収容された悲田院。この頃、定子のサロンが始まる。それは一条天皇と中関白家の親密さをアピールする場でもあった。

そんな思惑はあれど、公任(町田啓太)、斉信(金田哲)、行成(渡辺大知)らをはじめ才気ある若者たちが集う登華殿はとても華やか。中でも、定子の「香炉峰の雪はいかがであろうか」という問いかけで、ききょう(ファーストサマーウイカ)が御簾を上げ、みんなで庭の雪を眺める場面は『枕草子』でも有名な一節で大きな話題となった。

その後、一条天皇も交えて雪遊びに興じる一同。平和な光景に眉をひそめるのが道長である。なぜなら、彼らがそうしている今も都では疫病で次々と人が亡くなっているからだ。

一条天皇は見目麗しいだけでなく、お心も美しく、庶民たちを気遣うが、道隆は何の対策も講じない。「疫病が流行っておりますが、それは下々の者しかかからぬものゆえ、我々には関わりがございませぬ」。

いつの時代も「自分さえよければいい」という政治家はいるものだが、亡き父・兼家(段田安則)に“光”として育てられた道隆は本音を取り繕おうともせず、傍若無人っぷりに拍車をかけていく。

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