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竜星涼が新たに登場

『光る君へ』第16話より ©NHK
光る君へ第16話より ©NHK

そんな対照的な道を辿る道隆と道兼の、かつての姿に重なるのが伊周と隆家だ。今回から登場となった隆家は、雅に振る舞う伊周とは異なり、その態度に荒々しさがある。

定子のサロンでもどこか冷めた様子で皆を眺めており、父・道隆に対しても「恨んでいる人は大勢いるでしょう」と憚らず言い放つなど、一歩引いた視点に立っている隆家。

道兼とは違い冷静ではあるが、彼にもまた兄である伊周への対抗心があるのではないだろうか。詮子に放火の容疑をかけたのも、周囲をかき乱すためであろう。

竜星涼といえば、連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)でヒロイン・暢子(黒島結菜)の兄である賢秀を演じたことでもお馴染み。当時、一攫千金を狙っては失敗し、家族に迷惑をかける賢秀はネットで“ダメニーニー”と騒がれていたが、筆者は割と彼が好きである。

なぜなら賢秀が他人に迷惑をかけるのは、自らの利益のためではなく、常に長男として幼い頃から厳しい経済状況に置かれていた家族にいい思いをさせてあげたいという気持ちで行動した結果だから。竜星のコミカルな演技にはどこかその哀愁が滲み、憎むことができなかった。

隆家も同じで、不遜な態度の中にも彼なりの苦しみが感じられる。彼も道兼のように回り道をして自分の生き方を見つけていくのではないだろうか。引き続き見守っていきたい。

(文・苫とり子)

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