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伊周・隆家が引き起こした大事件

『光る君へ』第18話より ©NHK
『光る君へ』第18話より ©NHK

伊周を次の関白に任じようとしていた一条天皇も道長のことは認めているようだ。元々、一条天皇は情け深く民を思う心を持っているので、道長とは気が合うのだろう。伊周を関白にしなかったからといって、定子(高畑充希)との夫婦仲にこれといった影響はない。

むしろ、一条天皇の定子に対する寵愛は増すばかり。まひろが登華殿を訪ねてきている時でさえ、「会いたくなってしまった…」と寝所に連れていってしまうのだから。来客も時間も全く気にする様子のない一条天皇の、儚げな見た目に反した情熱的な愛情表現に少しばかり笑ってしまった。

そんなラブラブな2人に水を差すのが、伊周と隆家である。俊賢の言葉に簡単に乗せられてしまうところを見ると、彼らに人を見抜く力はなさそうだ。それなのにプライドだけは一丁前に高い。

ただ光子に他の男がいるかもしれないというだけで目に涙を浮かべる伊周も、そんな兄のために相手の男を懲らしめてやろうとする隆家も本当は純粋なのかもしれない。生まれた時から将来が約束されていたボンボンの息子であるがゆえに、歪んでしまったんだろうなと思うと同情すべき点もあるが……。

彼らは取り返しのつかない大事件を起こしてしまう。ここで久しぶりに花山法皇が登場。少しおさらいすると、彼は斉信の妹・忯子(井上咲楽)を寵愛していたが彼女は若くして亡くなってしまった。そんな中、道兼に唆されて出家。以降は姿を見せていなかったが、この間に花山法皇は忯子の妹である四の姫・儼子のもとへ足繁く通っていたのである。それを伊周は三の姫・光子のもとに通っていると勘違いし、隆家が矢を放つに至った。

この出来事が俗に言う「長徳の変」へと繋がっていく。兄たちが不祥事を起こし、定子が何の影響も受けないということは恐らくないだろう。彼女はただ純粋に一条天皇を愛しているだけなのに、あまりにも不憫。次週は心苦しい展開となるかもしれない。

(文・苫とり子)

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