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あどけなさの残る15歳を見事に演じる吉高由里子

『光る君へ』第2話より ©NHK
光る君へ第2話より ©NHK

ちはやが亡くなってから6年後が描かれた第2話。15歳となったまひろは、ちはやの死以降、まともに口を聞いていない為時の目を盗んでは高辻富小路の絵師のもとで代筆仕事に明け暮れていた。文筆に長けたまひろのもとには様々な依頼が届くが、中でも印象的だったのが「意中の女性に贈る和歌を考えてほしい」という、とある男性からの依頼。当時、男女が簡単に顔を合わせることはできず、自分の気持ちを伝える方法は和歌しかなかった。いわば、ラブレターである。

まだ恋というものが何かは分からないが、持ち前の想像力と創作能力で巧みな恋の歌をつくるまひろ。しかし、なぜか男は何度も相手の女性から和歌を突き返され、まひろがちぇっと小石を蹴った瞬間に宙を描いた草履がたまたま道長にあたり、2人は再会を果たす。きょうび、少女漫画でもあまり見かけないようなラブコメ的展開に思わず顔がほころんだ。

特筆すべきは吉高の演技だ。道長の前でくるくると変わる表情は愛らしく、実年齢とは実に20歳もの差があるにもかかわらず、ちゃんと15歳の少女に見える。そこで、筆者がふと思い出したのは、映画『僕等がいた』(2012)での吉高。当時、23歳の時も吉高は15歳の女子高生を演じることになった。そこから10年以上も十代を演じられる役者はそうそういない。

まだあどけなさの残るまひろがどんな大人の女性へと成長していくのか。ドラマ『最愛』(TBS系/2021年)で主人公・真田梨央の高校3年生の頃と、その15年後、女社長となった姿を見事に演じ分けた吉高だけに期待が高まる。

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