まひろがついに『源氏物語』を書き始める
一方、明子は道長に愛されるため、子供たちを利用しているようにも見える。そこに“母として”の愛があるのか、気になってしまうのは筆者だけだろうか。
道長がみんなの前で田鶴を叱ったのも、父としてしっかり息子を教育しようとする気持ちの表れでもある。道長が自分の子より、倫子の子の方に対する思い入れの方が強そうに見えるのを明子も気にしているのか、道長が田鶴を叱る場面では不満げな表情を見せていた。
そんな中、まひろはついに『源氏物語』を書き始める。母となったまひろはまだ3歳にもかかわらず、賢子に漢詩を読み聞かせるが、当然本人は一切興味を持とうとしない。けれど、日本最古の物語として知られている『竹取物語』には興味を示した。
亡き夫である宣孝がつけてくれた名前のように娘を賢い子に育てたい、物語なら楽しんで文学を学んでくれるのではないか。そんな“母として”の思いから、まひろは創作に着手したのだろう。
かたや、ききょう(ファーストサマーウイカ)が『枕草子』は伊周の手によって世に広められていく。同作は定子(高畑充希)の華々しい宮中での日々を綴った随筆。常に批判の的であった定子の知られざる人となりが世間に広まれば、やがて道長の立場は危うくなるだろう。またもや波乱の予感だ。
(文・苫とり子)
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