ちょっと痛い…? 思わず引いた道長&まひろの大胆”匂わせ”行動とは? 大河ドラマ『光る君へ』第36話考察レビュー
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。道長の悲願だった一条天皇と中宮・彰子の皇子がついに誕生。祝福ムードかと思いきや、暗い影が差し込む…。今回は、第36話の物語を振り返るレビューをお届け。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】(文・苫とり子)
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
現代人には余りにもカオスな出産シーン
一条天皇(塩野瑛久)と中宮・彰子(見上愛)の皇子が誕生した『光る君へ』第36回。その日の夜、まひろ(吉高由里子)は道長(柄本佑)の前でこんな歌を詠んだ。
「めずらしき 光さしそふ 盃は もちながらこそ 千代もめぐらめ(中宮様という月の光に、皇子様という新たな光が加わった盃は、今宵の望月のすばらしさそのままに、千代も巡り続けるでありましょう)」
「覚えておこう」と言った道長は10年後、「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」というかの有名な歌を詠むのだが、まひろの「めずらしき」の歌を参考にしたとも言われている。
一条天皇が皇子・敦成に親王宣旨を下したことで、親王の祖父となった道長の朝廷での権力はより盤石なものとなった。そしてその功労者は間違いなく「源氏物語」で一条天皇と彰子の心を繋いだまひろであり、道長との絆もまたより一層強くなるのだ。だが、そんな2人に逆風が吹き始める。
そもそも彰子の懐妊を喜ぶものばかりではなかった。特に道長の権威失墜を願う伊周(三浦翔平)にとっては分が悪すぎる。そのため、どうしても子の誕生を阻止したい伊周は彰子を呪詛。
一方、伊周の道長に対する怨みが強烈すぎるせいなのか、彰子の出産時には物の怪が取り憑いたとされる巫女たちが大暴れ。物の怪を払おうとする祈祷僧の怒号、巫女たちの叫び声や何かが割れる音、彰子と子の無事を願う者たちの読経でその場は一時騒然に。顕光(宮川一朗太)も「これはちょっと…帰ろうかな」と引くほど、カオスな状況下で無事に出産を終えた彰子は本当にすごい。