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芸人枠の活躍が目覚ましい『光る君へ』

『光る君へ』第6話より ©NHK
光る君へ第6話より ©NHK

清少納言の『枕草子』では、はんにゃの金田哲演じる藤原斉信とのやりとりが多々描かれている。作中で道隆(井浦新)の妻・貴子(板谷由夏)がききょうの率直な物言いに感心するようなそぶりがあったが、のちに彼女は2人の娘に女房として仕えることに。

名を定子といい、高畑充希が演じる。定子は宮中で文化的なサロンを開き、そこに斉信も出入りする中でききょうと交流を深めていくようだ。

そんな二人の第一印象はというと……斉信はききょうを“小賢しげ”と表現しながらも悪くないという印象を抱いたよう。一方、ききょうも斉信が詠んだ詩を気に入った様子で、見事二人は相思相愛(?)に。今後の二人の関係性にも注目していきたい。

それにしても、本作は俳優業を本業としないキャストの演技が目をみはる。

今回のエピソードでは“平安のF4”とも呼ばれる、道長・斉信・公任・行成(渡辺大知)の4人の若い貴族が宮中の政治争いに身を投じていく姿が描かれたが、中でも印象的だったのは、斉信がつわりで苦しむ妹の忯子(井上咲楽)に「帝の尊き政には兄のような若い力がなくてはならぬ」と花山天皇にそれとなく進言してほしいとお願いする場面だ。

妹を利用してでも政治的な力を得ようとする姿に切実さを感じた。ききょうについても「鼻をへし折ってやりたい」と公任に嬉々として語るなど、見た目の爽やかさとギャップのある斉信の権力欲の強さを金田はセリフが少ない中でも覗かせている。

ちなみに今回は出番がなかったものの、実資を演じる秋山竜次も出演のたびに話題になる一人だ。芸人としておかしみを持って実資を演じるだけではなく、天皇の側近としての貫禄を随所に感じさせる秋山。

特に第5話で、義懐に「帝の行きすぎを、お諌めされよ」と告げる場面は迫力があった。ちなみに史実において、実資は日記『小右記』の中で斉信のことを度々痛烈批判している。本作ではどうなるかまだわからないが、今後の2人のやりとりも一つ見どころとなるだろう。

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