ボーイズトークを偶然聞いてしまったまひろ
打きゅうの後、颯爽と広場を去っていた若君4人。すると突然激しい雨が降り始め、姫君たちもそそくさと帰っていくが、まひろは倫子の猫を追いかけていった先で彼らの会話を聞いてしまう。
いわゆるロッカールームのような場所で着替えながら、斉信と公任が始めたのは女性談義。彼らは打きゅう中に女性たちを品定めしていたのである。
公任たちの年齢はまだ18か19そこらで、誰がタイプだったかというような話の流れになるのはまだ分かるが、その口ぶりはかなり“ゲス”だ。まひろのことを「地味でつまらない」という一方で、「結婚するにはちょうどいい」という趣旨の会話を繰り広げる。
さらには、「俺たちにとって大事なのは恋とか愛とかじゃない」と公任。「いいところの姫の婿に入って、おなごを作って入内させて、家の繁栄を守り、次の代に繋ぐ。女こそ家柄が大事だ。そうでなければ意味がない」と語った。彼は女性を出世の道具としか考えていない。
忯子の死に胸を痛める斉信にも、「身罷られる前に偉くしてもらっておけばよかったな」と声をかけていたっけ……。見た目は麗しいけれど、これはいただけない。
そんな公任から「そうだろ?」と問いかけられ、道長は口を濁す。良いとか悪いとかではなく、そういう現実があるということを彼はよく知っているから否定はできなかったのだろう。無駄な諍いを生まないところは道長の美点でもあるが、まひろは当然ショックを受ける。
そのまま立ち去り、道長から送られてきた恋文に火をつけた。直秀はあの場にまひろがいたことに気づいている。おそらく次週は、傷ついたまひろの心に直秀の優しさが沁みる回となるのであろう。まひろ、道長、直秀、そして倫子の恋の行方が気になるところだ。