男性陣がまひろをめぐる展開に?
この時代の女性たちが置かれた状況が明らかになる一方で、「俺たちだって辛いんだ」と言わんばかりに男性たちの悲哀も強調された第7話。兼家は色んな人を辛い目に遭わせてきたことを自覚しており、完全に自業自得だが、恐ろしい夢に夜毎うなされていた。
そんな兼家が愛人である寧子(財前直見)に泣きつく姿は情けないの一言に尽きる。それなのに本気で心配されるでもなく、そこに漬け込んで道綱(上地雄輔)のことをよろしく頼まれる兼家、いとあわれ。
その兼家に泥を被らされている道兼(玉置玲央)は道隆(井浦新)に「わしは分かっておるゆえ、お前を置いては行かぬ」と心を見透かしたような言葉をかけられ、涙を流す。だけど、きっと道隆はただ兄として弟を気遣ったわけではない。
詮子(吉田羊)の息子が次の天皇となれば、宮中は右大臣家の独壇場となる。兼家が亡くなれば、必然的に道隆が実権を握ることになるだろう。それを見据え、いつでも捨て駒として使えるように道兼の信頼を得ようとしているのだ。
そのことには気づかず、すっかり道隆に心を許してしまった道兼。彼は次週、大人になったまひろとついに対面する。次回予告で「琵琶は誰に習ったのだ?」とまひろに問いかける道兼が恋をしている表情に見えたが、まさか……。
このままいけば、まひろは道長、直秀、道兼の3人の男性から思いを寄せられるヒロインということになる。少女漫画っぽさ、ここに極まれり、だ。
(文・苫とり子)
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