河合優実の代表作は『ふてほど』じゃない…ドラマ好きを唸らせた理由とは? NHKドラマ『かぞかぞ』 第1話考察レビュー
text by 明日菜子
7月9日(火)より地上波にて放送開始した、河合優実主演のNHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』。本作は、2023年にNHKBSプレミアム・ NHKBS4Kで放送され大反響を呼んだ。今回は、第1話のレビューをお届けする。(文・ 明日菜子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:明日菜子】
視聴ドラマは毎クール25本以上のドラマウォッチャー。文春オンライン、Real Sound、マイナビウーマンなどに寄稿。映画ナタリーの座談会企画にも参加。
“事実は小説よりも奇なり”を体現した岸本家の物語
BSで大反響を呼んだ話題作が地上波に上陸
「今年を象徴する俳優といえば?」と聞かれた際、河合優実の顔を思い浮かべた人も多いのではないだろうか。阿部サダヲの娘役を演じた『不適切にもほどがある(以下:ふてほど)』(TBS系)で、その名前が広く知れわたることになった。
『ふてほど』から息つく暇もなく、2024年春クールには坂東龍汰とのW主演ドラマ『RoOT / ルート』(テレビ東京系)、そして6月には主演映画『あんのこと』が公開。2025年の後期朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)への出演も決まり、河合の快進撃は止まらない。
映画『サマーフィルムにのって』(2020)で河合優実を認識した私が、その特別感に腰を抜かした作品が、NHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(以下:かぞかぞ)』である。昨年NHKBS枠で放送された際に高く評価されたため、このたび地上波で再放送される運びになった。
作家・岸田奈美がnoteに綴った自伝的エッセイ本を原作にした『かぞかぞ』は、河合演じる岸本七実が主人公である。ブラックフォーマルを身に纏い、赤い車に乗った七実が「トゥルーストーリー、ほぼ」と宣言する通り、これから岸本家の身に起こる様々なエピソードのほとんどが実話なのだ。