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ダウン症の役を当事者が演じたことにも注目

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第1話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第1話 ©NHK

 ここで岸本家のメンバーを紹介しよう。まずは長女の七実。第1話時点は高校3年生で、本人曰く「一軍女子を裏で操っている」らしいが、実はキラキラな彼女たちに羨望のまなざしを向ける、少し、いやかなり風変わりな人だ。現在はクラスの一軍女子に対して、長崎の男子高校生を演じ、嘘のやりとりをすることが楽しみになっている。

 弟の草太(吉田葵)はダウン症を患っている。姉弟仲はきわめて良好だが、世間からの偏見に、七実の気持ちが薄暗くなってしまうこともある。草太を演じる吉田葵もダウン症を抱えており、障がい者の役を当事者が演じた本作は、日本の映像界においても革新的なことだった。『かぞかぞ』での吉田の好演後、NHKは障害のある俳優を10人以上起用したドラマ『パーセント』(2024)を制作。世間の風向きが変わりつつあることを肌で感じている。

 父・耕助(錦戸亮)が急逝して以来、母のひとみ(坂井真紀)が子供たちを支えてきた。しかし、ある日突然大動脈解離で倒れ、その後遺症で下半身不随になり、車椅子での生活を強いられることに。そして、大阪に住んでいた祖母・芳子(美保純)も岸本家の一員に加わり、七実たちの世話をしてくれるようになる。

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