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岸本家、再び沖縄へ!

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第2話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第2話 ©NHK

 娘が父に抱く想いが明らかになった『かぞかぞ』第3話では、七実の目まぐるしい大学生活がいよいよ幕を開ける。サークルや遊びに目もくれず、ひたすら勉強していた七実は、母・ひとみ(坂井真紀)に元気を取り戻してもらおうと、沖縄旅行を計画する。

 それは岸本家が昔、家族みんなで訪れた思い出の場所。岸本家のハイライトを挙げるならば、間違いなくその沖縄旅行になるだろう。

 旅行資金を貯めるために、七実は忙しい学生生活の傍ら、アルバイトに明け暮れる。引越し作業員、交通整備、球場のコーヒーの売り子…。

 短期で稼げる良いバイトと聞けばすぐに飛びついた。もともとビールの売り子を希望していたにも関わらず、なぜか真夏の球場でコーヒーを売ることになったエピソードも、原作者・岸田奈美の実話である。

「人には人それぞれの人生がある。親父さんには親父さんの。あんたにはあんたの、俺には俺の人生がある。そういうことだ」

 思い返してみれば、七実のアルバイトの“師”である瀬尾さん(岡野陽一)の言葉が、彼女の呪いを解くためのヒントだったのかもしれない。

 七実は自分の人生を生きろ。亡くなった父親の想いを背負うことはない。家族と自分の人生を切り離して考えることが大切だ、と。しかし、家族のために奔走する七実には、瀬尾さんの言葉の真意が、まだ見えていない。

 そして念願の沖縄旅行の日がやってきた。懸命なアルバイト生活の甲斐あって、旅行資金も無事に貯まった。実は大切な単位に関わる小テストと同じ日程だったのだが、七実は誰にも相談することなく、家族との沖縄旅行を選んだのである。

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