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河合優実”七実”の才能が開花…弟”草太”の愛に満ちたエピソードとは? NHKドラマ『かぞかぞ』第4話考察レビュー

text by 明日菜子

河合優実主演のNHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が地上波にて放送中。岸田奈美のエッセイを元にした本作は、2023年にNHKBSプレミアム・ NHKBS4Kで放送され大反響を呼んだ。今回は、第4話のレビューをお届け。(文・ 明日菜子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:明日菜子】

視聴ドラマは毎クール25本以上のドラマウォッチャー。文春オンライン、Real Sound、マイナビウーマンなどに寄稿。映画ナタリーの座談会企画にも参加。

燃え尽き中の七実に新たな出会い

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第4話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第4話 ©NHK

 他人の目からは簡単に見えることでも、当事者同士にとっては見えづらい。それが最も近しい人間で構成された“家族”というグループ内で起こったことならば、尚更だ。『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK総合)第4話、念願の沖縄旅行を果たしたものの、母と娘の想いは、未だすれ違ったまま。

 想いが先行しすぎては空回る娘に対して「気づいて〜!!」と歯がゆい気持ちを抱く一方で、ふと考えてしまう。家族に対して、私はあんなにも全力で向き合うことが出来るのだろうか、と。

 学業そっちのけで旅費稼ぎのアルバイトに明け暮れた七実(河合優実)は、ただいま絶賛燃え尽き中。清水の舞台から飛び降りるつもりで向かった沖縄旅行は、もう二度と戻ることができない“昔”への恋しさを募らせただけだった。

 そんな七実を待っていたのは、変わりようのない現実と、落第を警告する教務課からのメール。学生時代、誰もが一度は自分の無力さを嘆いたことがあるだろうが、「車椅子ユーザーの母親を笑顔にする世の中にしたい」という目標は、個人が背負うにはあまりにも大きすぎる。本来ならば、社会全体で考えていかねばならない問題なのだから。

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