社会人になった七実がぶつかった壁
物語は母・ひとみ(坂井真紀)が大動脈解離で倒れてから、5年の月日が経っていた。特別支援学校の高等部を卒業した草太(吉田葵)は、作業所に就職するために奮闘中。
心理カウンセラー兼『Loupe』のアドバイザーとして仕事復帰したひとみは、講演会などの表舞台にも立つようになった。さらに自動車の運転も習得し、以前の笑顔を取り戻しつつある。
相変わらず祖母・芳子(美保純)もパワフルで、ようやく岸本家は順風満帆に…と書きたいところだが、『Loupe』に就職した七実の社会人生活は、上手く行っていないようだ。
広報を担当する七実は、圧倒的な文才と企画力を武器に活躍しているのだが、事務仕事や社会人としての基本的なルールを守ることが非常に苦手だった。領収書を紛失して経理担当者に呆れられることもあれば、アポイントの約束を忘れてしまい、赤べこのようにペコペコと頭を下げに行くこともしばしば。
いつのまにか「申し訳ございません」が口癖になっており、誰かに謝るたびに心がすり減っていった。さすがにここまでの四苦八苦な社会人生活はドラマの脚色なのだろうが、発展途上中の多忙なベンチャー企業の中で、周囲と足並みを揃えることはなかなか難しかったと、原作者の岸田奈美はインタビューで語っている。