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錦戸亮&河合優実の父娘の掛け合い

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第5話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第5話 ©NHK

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK総合)で折り返しを迎える第5話・第6話において、最も印象的なのは、錦戸亮と河合優実による父娘の掛け合いだ。

 錦戸は2023年から2024年にかけて、『離婚しようよ』(Netflix、2023)や河合と再共演を果たした『不適切にもほどがある!』(TBS系、2024)『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系、2024)など今作を含めて出演作がつづいたが、当時テレビドラマに出演するのは2019年の『トレース〜科捜研の男〜』(フジテレビ系)以来約4年ぶり。
 
 俳優・錦戸亮の姿を久しぶりに目にしたが、変わらぬ存在感に圧倒された。例えば『離婚しようよ』で演じた恭二で溢れ出ていた色気が、『かぞかぞ』では一転して“儚さ”へと変化する。子どもたちを見つめる温かいまなざしの中に、もう手が届かない場所に行ってしまった“寂しさ”を共存させられる俳優なのだ。

「私は弱くて、なかなかパパのこと思い出せないんよ」
「そうか」
「パパ、死んでまえって言うてごめんなさい」
「大丈夫」

 草太の目に映る耕助は、草太と同じ動きをして、同じ言葉を発する。それは草太が自分なりに父の死を受け入れて、亡き父と共に生きているのだと解釈できるだろう。一方、七実の前に現れた父の幻影は、七実の言葉を繰り返すことはしない。

 娘が書いた記事に「いいね」と呟き、娘の謝罪を「大丈夫」と受け入れる。つまり父の幻影を通して、七実は初めて自分自身を許せたのではないだろうか。

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