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七実も知らなかった祖母・芳子の人生

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第7話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第7話 ©NHK

 ある日、芳子は誰にも告げずに、手ぶらで大阪の家に戻ってしまった。隣に住む住吉(片桐はいり)から連絡を受けた七実は、急いで大阪へ向かう。そこで七実は今まで知らなかった祖母の物語に触れ、芳子がどのような人生を歩んできたのかを知ることになるのだ。

 芳子と茂(黒田大輔)が何度も熱烈なラブレターを送るくらい大恋愛だったこと。近所の人からも慕われ、ひとみを“浪花の明菜ちゃん(または吉永小百合)”だと伝え回るくらいに昔から溺愛していたこと。口癖である「負けるより勝ったほうがええんや」のルーツが、競馬好きの茂にあったことーー。

 だが、芳子は結婚前に奉公に出された苦労人でもあった。大恋愛の末に結婚したものの、ギャンブル好きで酒癖の悪い茂に乱暴な態度を取られることも少なくなかったのだ。

 当たり前だが、生まれた時から「おばあちゃん(祖母)」である人はいない。子どもを産み、その子どもにまた子どもが産まれることで初めて、その人に「おばあちゃん(祖母)」という呼称がつく。つまり、それは家族間の関係性を示す言葉に過ぎず、祖母にも当たり前のように、若い時代があったのだ。

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