仕事人としてのシロさんとケンジ
ケンジはこれまで一従業員として美容室「フォーム」で働いてきた。
職場の同僚や常連客からも愛されており、店長の元奥様・玲子さん(奥貫薫)がエステの店を開く際も折り入って相談を受けるなど、信頼されている。
頼まれたら断れない性格もあいまって仕事は丁寧そのもの。何度も「セットを直して」と頼んでくるお客さんにも笑顔で対応し、長年担当していたお客さんが結婚する際には、わざわざ休日に出勤するなど、その働きぶりはまさに美容師の鑑。
シーズン1の頃は経営者になる気が全くなさそうだったケンジだが、劇場版では、埼玉で美容室を経営している母(鷲尾真知子)と再会し「店を継がないか」と打診されていた。その時は埼玉への引っ越しが難しいという理由で断ったものの、かねがね「自分の店を持った方がいい」とケンジにアドバイスをしていた母親の想いが、今回、思わぬ形で叶うことになった。
一方のシロさんは、上町法律事務所で弁護士として長年勤務。「残業は極力しない」「可能な限り定時で帰る」というワークスタイルを通していた。
とはいえ、仕事はほどほどに…といったスタンスではあるものの、1つ1つの仕事に情熱を持って向き合っており、ロマンス詐欺にあった男性のためにわざわざ関西空港に足を運んだり、離婚協議中で親権を取られた依頼者のために、休日を潰して一緒に遊園地へ行ったこともある。
また引き受けたくない仕事も、修先生に懇願されると引き受けてしまうなど、仕事に対する責任感の強さは人一倍だ。
シロさんもケンジ同様に、それまで出世や独立を考えてこなかった。シーズン2第2話では、大先生に「いずれ事務所を譲りたいが今後のことをどう考えているか」と切り出された時は「(結婚や)独立は考えていない」「(このまま)変わらないのがいい」と思わず答え、呆れられていた。
今回、弁護士事務所を継ぐ意思があることを明らかにしたシロさん。ケンジの店長就任が契機となったのか、周りの環境の変化の影響なのか、少しずつシロさんも変わってきている。