ホーム » 投稿 » ドラマ » 最終話の伏線回収が完璧…“くる恋”がこんなにも面白いドラマになったワケ。『くるり~誰が私と恋をした?~』考察レビュー » Page 2

最初から最後まで真っすぐに愛を伝えてくれる律

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第11話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第11話より ©TBS

 律は、最初から最後までずっとまっすぐだった。1度別れたことを隠していたのはちょっぴり(というか、かなり?)悪いけれど、3人の男性陣のなかで最もストレートに愛の言葉を伝えていたのは、律だったと思う。

 正直なところ、序盤は律のことをいけすかない奴だと思っていた。金に物を言わせて、愛を手に入れようとしている感じの。ちょっと、人の感情を舐めているのかな? と思ってしまった瞬間もあった。

 でも、だんだんと律の人間らしさ、可愛い部分、意外と脆い一面を知り、彼のことを愛おしく思うようになった視聴者も多いのではないだろうか。

 プライド高めの律のことだから、最初にまことに振られたとき、「俺、全然好きじゃなかったし!」なんて強がっていたのかと思っていたけれど、実は社員たちの前で「初めての大失恋!」と泣きじゃくって子どもみたいに駄々をこねていたと知り、彼のことがもっと愛おしく思えた。

 ウサギの着ぐるみを被っていた理由も、お酒を飲むとまことのことを思い出して泣いてしまうから。また振られるのがわかっていて、「もう1度、俺と付き合ってくれませんか?」と告白をしたのも、振られたあと「今度は笑って別れられたからいっか」と寂しそうに呟いていたのも、健気すぎて胸がぎゅっと締め付けられた。

 本作で宮世が演じていた律は、かなりむずかしい役どころだったように思う。ラブミステリーの“ミステリー”部分を、序盤ほぼ1人で担っていたのが、律だった。怪しいオーラも出さなければならないが、まことへの愛情は隠し持っておかなければならない。

 ある意味、一人二役よりも高度と言える役柄を、宮世は繊細に演じてくれた。『くる恋』考察がこんなにも盛り上がったのは、彼の力が大きいと思う。

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