ハラハラドキドキ、新感覚ラブストーリードラマ
“失恋組”の律と朝日が、マブダチのようになっているのもほっこりした。まことを奪い合うライバルだったときは、朝日の前で常に去勢を張っていた律が、「う〜」と泣きじゃくっているのも微笑ましいし、その姿を写真に収めて「これ、インスタあげていい?」と言う朝日はちょっぴり意地悪。
また、律が「(まことのこと)辛いけど、忘れたいとは思えない。楽しかったし、つまんない友達できたし」と言うと、“つまんない友達”の朝日は「もう〜」と不貞腐ながらも、優しくブランケットをかけてあげる。この2人、正反対に見えるけれど案外いい親友になれそうだなと思った。
『くる恋』は、新感覚のラブストーリーだった。恋愛ドラマなのに、ミステリー要素が加わることで、こんなにもハラハラすることができるのか。ヒロインと相手役が結ばれる過程を追いかけていくだけでも面白いのに、考察までできるなんて! と毎週とっても楽しみにしていた。
一般的なミステリードラマなら、公太郎に裏の顔があったり、朝日か律が実はストーカーだったり、香絵(丸山礼)がまことを裏切ったりと、ゾワっとする“くるり”展開を持ってきていたと思うが、『くる恋』はそうはしなかった。
みんな、嘘の根本にはまことへの愛があり、悪い人は出てこない。ヒールがいなくても、こんなにも面白いドラマが作れると証明されたことは、エンタメ界の希望になるはずだ。
(文・菜本かな)
【関連記事】
【写真】最後までドキドキさせられっぱなし…瀬戸康史、神尾楓珠、宮世琉弥の美しさに痺れる劇中カットはこちら。ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』劇中カット一覧
未回収の伏線は? 瀬戸康史”公太郎”の逆転勝ちを期待してしまうワケ。『くるり~誰が私と恋をした?~』第10話考察レビュー
瀬戸康史“公太郎”の「嘘」に深まる疑念…指輪の相手はまさかの? ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』第9話考察レビュー