律の独壇場かと思いきや…。
第4話は、中盤まで律の独壇場のようだった。5月5日のまことの誕生日を、公太郎(瀬戸康史)と朝日(神尾楓珠)よりも先に抑えて、デートをセッティングする。ずっと律のことを疑っているように見えたまことだったが、彼の仕事に対する考え方などに触れていくうちに、リスペクトできるようになってきたのだろう。
まことの律を見る目がだんだんと変わっていったような気がする。チームラボのなかで寝落ちをしてしまったりと、年下っぽい愛らしい振る舞いもたくさんあり、これはもう落ちるしかないのでは……? と律の勝利を確信した。
さらに、律は仕事のトラブルによりデートを途中離脱。これは、ピンチに見えるかもしれないが、筆者はむしろチャンスだと思った。律がガンガン攻めて、まことが受け身という構図が出来上がっているなかでの、攻守逆転。しかも、“部下からの呼び出し”というところも、頼りにされている感が伝わってくる。
「待ってるから。そこのレストランじゃなくてもいいからさ」と言ってくれたまことをハグして、「待ってて」と耳元で囁いた律。しかも、このハグが片手なのがいい。年下っぽくて可愛いという印象から、一気に大人の男らしさを感じさせていた。
ただ、いつもいいところをすべて掻っ攫っていくのが、公太郎だ。ひとりで待ちぼうけしているまことのもとまで、ロスフラワーで作った誕生日ケーキを届けに行く。そして、まことがフーっとロウソクを吹き消すフリをした瞬間、東京タワーの明かりが消えるというロマンティックすぎる演出で、一気にすべてを持っていった。
このライトダウンは、公太郎が計算したわけじゃない。まさに、天を味方につけていると言えるだろう。すごく頑張ったのに、最後の最後で美味しいところを持ってかれちゃう律と、なんだかよく分からないタイミングで登場しちゃう朝日と比べると、「むしろ怪しいのでは?」と疑いたくなるほどの本命ムーヴだ。