公太郎によってまことの世界が色づいていく
第7話では、公太郎の“過去”が重点的に描かれていた。前回、肩にある傷が何やら怪しげな映し方をされていたので、「もしかすると、喧嘩上等系のやばい奴だったのでは……?」と疑ってしまってごめんなさい。この傷は、本当に事故によってできたものだった。
幼なじみの聡(浜中文一)が運転するバイクで事故に遭い、そのせいで聡と疎遠に。さらに、公太郎はバスケの選手になる夢が打ち砕かれてしまった。正直、聡との仲違いについては、物語の本筋とはあまり関係がないように思う。それなのに、かなりの時間を割いていた理由は、“公太郎は良い人”というのを伝えたかったからかもしれない。
公太郎にとって、聡はとても大事な幼なじみだった。楽しい記憶がたくさんあって、たまにふと“あの頃”のことを語り合いたくなる瞬間もある。でも、距離を置いたのは、自分がそばにいると、聡をずっと苦しめたままだと思ったから。
大切な人の苦しむ顔を見たくない。聡が笑顔になれるのなら、自分が身を引いた方がいい。そんなふうに考える公太郎は、自己犠牲の塊のような人なのだろう。
正直、筆者はこれまで公太郎のことをちょっぴり疑っていた節があった。朝日と律にはそれぞれマイナスプロモーションになりうる描写があるにも関わらず、公太郎にはほとんどない。本命路線を突き進みすぎている公太郎は逆に本命じゃないのでは?
そもそも、実は彼がまことのストーカーだったりして……? なんて思っていたのだが、聡との関わり方を見て、公太郎は他人を傷つけるようなことは絶対にしない人だと確信できた。
公太郎に出会って、世界は色で溢れていると知ったまこと。公太郎は、まことに「肩の傷、綺麗な桜色だね」と言われて、苦い思い出をちょっぴり甘くすることができた。
公太郎が本当にまことの元カレなのかどうかは定かではない。しかし、もしも違ったとしても、これからまた新しく恋を始めていけばいいのではないだろうか。その人に出会ったことで、世界が色づいていく。生きるのがラクになる。それは、きっと素敵な恋だ。